
源泉は昼夜を分かたずと混混(こんこん)と湧き出て、科(あな)を盈(み)たし、いずれは川となって進み、四海(海洋=世界)に放たれて行きます。この中国の孟子の一節から採った『盈進』の校名こそ学園創設者、丸山鋭雄先生(1888〜1974)の教育理念を象徴しているといえます。即ち、「泉が穴を満たしてから進むように、学問も人間としての基礎・基本をもとに順序を踏まえて発展させてゆくことが大切だ」という意味です。
丸山先生が打ち立てた建学の精神は「人間教育」と「個性の尊重」です。いま東野高校は、この建学の精神を具現化する本校教育の新たなミッション(使命)として“Hearts and Minds”の涵養を掲げました。
私立学校は「独自性」と「公共性」の二つの要素から成り立っています。
そして、この「独自性」が「建学の精神」として表されます。言い換えれば創立以来、その学校の根底に脈々と流れる≪伝統≫です。大切なのはこの伝統の今日的意味を見出すことだと思います。伝統は伝承とは異なります。「伝承に創造を加えてはじめて伝統となる」と言います。建学の精神(伝統)というものは『常に時代に応じて新たな生命を見出さなくてはいけない』(小林秀雄)ものです。こうした作業があって初めて真の伝統が生きてゆくわけです。
1985年本学園が武蔵野市から入間の地に移り開校した東野高校の教育コンセプトは「温故創新」(Renaissance & Innovation)にあります。
10代後半の高校生活は、自分の持っている可能性を現実のものにするプロセスです。自分の人生の第一歩として将来につながる形での進路を決める時期になります。重要なのは自分の将来の進み行きを安易に単純化したり、下方修正したりしないことです。
例えば、大学進学を目指す場合も、高校入学後早々と志望進路を文系・理系のいずれかに仕分けする生徒が少なくありません。その結果、往々にして、文系希望者は理数科目を、理系希望者は文系科目を学習しなくなる。それぞれの科目に対する自分の持っているかも知れない可能性を試しもしないで放棄してしまう傾向があります。高校生活が自分の可能性を試し発掘する時期である以上勿体(もったい)ないと思います。人生は謎の多い未知の道程です。十分に慎重に自分の持つ可能性を試して欲しいものです。
学校生活の中心は〈学び〉にあります。“学び”のルーツは“真似(まね)び”です。人の話を聴き(傾聴)、活字を読み(読書)、鑑賞し、解らないことは調べ考えること(自調自考)によって自分の知らない世界を追体験し、選択肢を豊かにすることができます。
4年後に東野高校開校30周年、学園創立90周年を迎える盈進学園は≪近未来プロジェクト-東野高校中長期教育発展構想≫を立ち上げ、広範な皆様にとって“安心”され、“信頼”され、“期待”される学校創りを推進しております。
目下、他校にはあまり例を見ないクラウド・コンピューティングによるICT(Information Communication Technology)化を進めています。ここ数年内に教室に先端的な教育機器・機能を導入し学習環境を改善する予定です。主な狙いは「ネットの大きな秘めた力は、いくつもの教壇を用意できることである。1つの問題について世界で最も優れた教師をどこからでも起用できる」(Microsoft創始者ビル・ゲイツ)点にあります。
人と自然の共生の縮図とも言える広大な学園環境を計画的に整備(施設・設備の改善)してゆきます。併せて、教育内容の充実と新たな特色を創出するなかで、真の学びに向かう生徒、規範意識とモラルを体得し生き生きと活動する生徒を育成し、大人になっても好奇心を失うことなく、困難な時代を生き抜き、よりよい社会づくりの担い手になる若者を育てる決意でおります。
理事長 中村 勤

皆さんは自分の将来についてどのように考えていますか。
程度の差はあっても、考えれば考えるほど悩んでしまう人の方が、はっきりとした将来像を断言できる人よりもはるかに多いと思います。人間は誰でもこういう問題にぶつかる時がきます。私達の祖先もどのような時代にあっても真剣に考えながら自問自答をしてきたはずです。
それは自分の理想や希望の実現を目指すことであると同時にそこに行きつけるかという多くの疑問や不安を抱くことにもなります。政治家や宇宙飛行士に、また芸術家やスポーツ選手にと。挫折、落胆を繰り返しながら理想の実現に挑戦し、不可能と思われたものまで可能にしてきました。
それらの原動力になったのは人間の「考える」という行為から生まれた夢や希望です。
「考える」ということは何かに向かっていることであり、物事はここから始まるともいえるでしょう。そしてその節目毎に「考える」ことを繰り返しながら新しい目標を決め、その実現へと向かっていかなければなりません。
高校時代は将来に備えての大切な時間帯です。だからこそ自分のことをよく「考え」て、やってみたいことに全力で挑戦して下さい。
好きな勉強や興味のある出来事には積極的に関心を持ち続けることが大切です。
数学や生物学等に代表される自然科学系、哲学や言語学等の人文科学系、政治学や経済学等の社会科学系、たくさんの分野が皆さんを待っています。
その他、どこの学校にもある多くの文化部や運動部に魅力を感じた人はそちらに挑戦するのもよいと思います。皆さんの年頃に好きなことに打ち込み、精一杯努力することは素晴らしいことです。目標に向かっての不断の努力は自信をつけることにつながっていったり、それまで気づかなかった適性の発見へと通じたりもします。
じっくり考えたら行動に移って下さい。皆さんの可能性は大きく広がっていくことと思います。
東野高校では生徒一人ひとりの個性を尊重した少人数クラスでの人間教育を目標にしています。何事にも「誠実さと熱意を持って、冷静に対処できる知力」を備えた人間になって欲しいと願っています。授業が中心ですが、始業前や放課後の講習、また長期休暇中の講習、それらも次のステップである大学進学を始め、個々の進路方向へと道を通じてくれます。
更なる飛躍を望む皆さんにとって東野高校は最適な学校です。
学校長 中川 進